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ヴァイオリニスト 二瓶真悠さんの弾くチャイコフスキーに、天才出現を確信した日。 [クラシック音楽]

7月9日、アミューたちかわ(東京都立川市の市民会館)で、飯森範親さん指揮、東京交響楽団による「フレッシュ名曲コンサート」を聴きました~。

・・・と、さらっと書きましたが、ワタクシ、このコンサートで激しく感動、会場でボーボー泣いた次第であります。最近、涙線が弱くなったし。でもクラシック音楽ファンなら、当日の名演に間違いなく心動かされたことでせう。

感動の理由は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でソリストをつとめた二瓶真悠(にへいまゆ)さんが素晴らしかったからであります。

昨年の第8回東京音楽コンクール弦楽部門で第1位。東京芸大在学中(2年生)の19歳。「すごい若手」と聞いてはいましたが、ここまでスゴイとは・・・こんな化け物(失礼)みたいなヴァイオリニストが日本から生まれたとは嬉しい驚きです。

にへいさん立川.jpg

ここ20年間、日本から、五嶋みどりさんをはじめ、戸田弥生さん、諏訪内晶子さん、渡辺玲子さん、竹澤恭子さん、庄司紗矢香さん、神尾真由子さん、樫本大進さん、といった国際的ヴァイオリニストが生まれています。実演を拝聴、皆さん素晴らしい演奏家と感服しています。

しかし、二瓶真悠さんのチャイコフスキーは別格の演奏でした。何かが憑依したかのようなモンスター級名演なんです。ヴァイオリン協奏曲の実演で、これほど感動した経験がありませんもん。

当日の二瓶さん。指揮者とオーケストラが待つステージに、濃いめのピンクのドレスで登場、可愛らしい容姿が微笑ましいです。飯森さんのタクトで協奏曲が始まります。しばしのオーケストラ演奏後に、いよいよソリスト二瓶さんのヴァイオリンが加わる瞬間!彼女の弓から生まれた最初のフレーズを聴いたとたんに「なんだ!こりゃ!」と驚愕しましたね。音にこめられた強烈な意志というか魂・・・スゴイ演奏がこれから展開すると確信した私であります。

彼女の素晴らしさを語りきるのは至難ですが、ベタな点からいくと圧倒的音量でしょう。オーケストラの強奏に負けないメガトン音圧!ヴァイオリン協奏曲は、ソリストがオケに(音量で)負ける場面をよく見ます。CDなら後から音量調整できるから良いですが、実演ではアンバランスが気になることもしばしば。ところが二瓶さんのパワフル・ヴァイオリンにそんな心配は全く不要!バリバリ音が前に出てきますもんね。

そして特筆すべきは彼女の歌心。文字通り”歌うように”弾きますねえ~。メイン・メロディを太線で朗々と奏でたかと思えば、弱音はデリカシーあふれる繊細さ・・・消え入るような高音も芯をしっかり響かせる絶妙のコントロール。テクニックも驚異ですが、自在な音色変化と、ダイナミックな表現は天性の素地ゆえでしょう、見事です!

凡百ヴァイオリニストが楽譜どおり「お上品に」「ソツなく」演奏するのに対して、二瓶真悠さんは「そんなん知ったことか!」と言わんばかりに、全霊を音にこめてきます。臆することなく彼女の世界を表現しきってるんです。その気迫に聴いているこちらは圧倒されっぱなし。短いフレーズも生気に満ち、その生々しさは尋常ではなく、たった今、楽曲が生まれたような新鮮な感動を生むんですね。これぞ、演奏芸術の究極の理想ではないでしょうか。

幾多の録音があり、演奏会でもさんざん取り上げられるチャイコフスキーの協奏曲。手あかにまみれた感すらある曲を、これほどワクワク聴かせるとは、なんという表現力なのか!二瓶さんは、ただの「優れた若手」などではなく、「真の天才」である、と確信しましたね。

さらに言えば、二瓶さんのヴァイオリンからは、オーケストラの響きさえ聴こえるんです。極論、オケは要らんのではないか?第一楽章のカデンツァなど白眉の名演奏でした。迫力といい美しさといい抒情といい、こんなカデンツァ、一生聴けないのではないかな?

いくら褒めてもきりがありませんが、全曲弾き終わった瞬間の客席から起きた爆発的拍手は、全観客が彼女に心酔した証拠でありましょう。

演奏後の指揮者(飯森さん)と二瓶さんのステージ・トーク、ひじょうに良かったですね。飯森さんが二瓶さんへかけた第一声「すごかったですねえ・・・」は、ごく正直な感想と思います。福島県郡山で、震災時にご苦労されたお話。大変なご経験でしたが、それを乗り越え、多くの音楽ファンに夢と希望を与える芸術家になってほしい、と思いました。

19歳の天才、二瓶真悠さんを応援するぞ!と心に誓う私であります。

頑張れ、二瓶さん!

彼女の今後の公演をネットでチェック!11月4日のフランクのヴァイオリンソナタ、来年1月29日の再びチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(共演は読売日響)。行かねばなるまい!と、これまた心に誓う私でした。ふふふのふ。

追記 : その後の二瓶さん公演記事は以下であります。

2011年11月4日のリサイタルの記事は→こちら

2012年1月29日のステージ(協奏曲)の記事は→こちら


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コメント 4

湖太郎

突然のコメントで失礼いたします。

実は、私も昨年の東京音楽コンクールで二瓶さんのヴァイオリンを聴いて心酔してしまった一人です。7月9日も会場で聴いておりました。

あの小柄の女性から発せられる音とは信じられないエネルギーですよね。私は、音に包まれると言うより、二瓶さんのヴァイオリンの音に射られたと感じました。

私の知る限り次の様な公演が実施されます。
■フレッシュ名曲コンサート・プレイベント アフタヌーン・コンサート
 2011/10/29(土)14:00開演
 めぐろパーシモンホール 小ホール
 
■東京文化会館モーニングコンサート Vol.53
 2011/11/4 (金) 11:00開演
東京文化会館 小ホール

■第17回 江副育英会コンサート
2011/12/18(日)13:30開演
イイノホール

■フレッシュ名曲コンサート めぐろパーシモンホール 春のコンサート
2012/1/29(日)15:00開演
めぐろパーシモンホール 大ホール
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
交響曲第5番 ホ短調 ほか
指揮:ミハイル・レオンティエフ
管弦楽:読売日本交響楽団
ヴァイオリン:二瓶真悠

お節介とは思いながら、お知らせしてみました。
by 湖太郎 (2011-07-13 20:42) 

門前トラビス

To 湖太郎様、コメントありがとうございます~。
充実した情報を記載いただき、大変恐縮であります。とりあえずは全部の公演にチャレンジしてみます!
7月9日以来、音楽好きの友人に(クラシックファンでなくても)、二瓶真悠さんがいかに破格のヴァイオリニストであるかを力説・・・というより伝道しているワタクシであります。
二瓶さんの演奏を聴くと、「過去のヴァイオリン演奏っていったいなんだったんだ?」とすら思えてしまいます。
まるで草野球チームに、突然、プロのメジャーリーガーが参戦したような「別格感」がありますよね。
キレイゴトではない節回しや音色は、天からの授かりものですね。自分が生きているうちに、これだけの逸材が登場したことに感謝感謝であります。素晴らしいですね!
by 門前トラビス (2011-07-16 06:30) 

アオサン

はじめまして
私もあの日、アミュー立川へ出かけました。
コンサートそのものは素晴らしいものだったと記憶しています。
ただ私はまだクラッシックを聞き始めて日が浅いので、二瓶真悠さんがどうすごいのか?まではよくわかりませんでした。
それ以上にあの日暑かったこと。猛暑でしたね。それとホールの座席が狭く、おまけに両隣りが大柄な男性で最悪でした。
1月29日は予定があるので行けませんが、チャンスがあったらまた聞きたいですね。

私は鶴見なのですが、ミューザ川崎の復旧が遅れているのが悩みの種です。

よくこれを聞きながらPCをいじっています。
http://www.yung.jp/yungdb/op_3.php?id=1264
by アオサン (2012-01-15 12:25) 

門前トラビス

To アオサン様、コメントありがとうございます。
そうでしたね、あの日はものすごい猛暑でした。
よく覚えております。そしてあのホールで、両隣に大柄な男性が来られるのは厳しい状況ですねえ。
あと、ミューザ川崎の話ですが、昨年の3月11日に「大破」してビックリでした。コンサートの最中に地震が来ていたら大惨事でしたね。
私も大好きなホールなので(なにせ駅に近い!)一日も早い復旧を祈っております。
by 門前トラビス (2012-01-18 05:16) 

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