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渋谷で拝見した「英国の夢、ラファエル前派展」。久々にツボにはまった、というハナシ。 [絵画]

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで「英国の夢、ラファエル前派展」を拝見し、めちゃ感動したので、その件を書きます。この展覧会、渋谷は3月6日に終わり、西へと巡回、現在(3月20日時点)は山口県立美術館で開催されております。

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さて、本題の前に、ちょっとエラソーですけど”美術好き”に関する話です。「趣味は美術鑑賞」だとか「学生時代に美術部でした」というヒトと、絵画の話をすると、ほぼ確実にガッカリしちゃうワタクシです。なぜか?理由は、彼らの多くが自分の目で見ず、自分のアタマで考えないから。要するに、世間が誉めそやす作品や画家を、盲信的に信奉してるからです。(もちろん、そうでない人もいますけど)。

相手の口から「印象派が好き」「ゴッホが好き」「シャガールが好き」と聞いただけで、私は、その人とは、絵画の話をやめます。そんな「ゲージツのお墨付き」がなんだっての?と思ってしまう。クラシック音楽でいえば、モーツアルトが好き、と言っとけばとりあえずOK、みたいな安易さを感じるのです。

念のため、相手に「なぜ、その画家が好きですか?」と質問すると、だいたいは体(てい)をなさない答えが返ってきます。何をどう好きだろうと個人の勝手だし、無理にマニアックに走る必要もないが、本心からその対象が好きなら、「なぜ自分が好きか」くらい言葉で言えるでしょ?と呆れてしまう。

自慢じゃないけど、私に、グリューネワルト「イーゼンハイム祭壇画」や、ブリューゲル「雪中の狩人」、デューラー「メレンコリア」の話をさせたら丸一日はしゃべり続けますよ。モノゴトを好き、ってのは、そうゆうものではないかしらん。

と、無駄な前置きが長くなり、スイマセン。

今回とりあげる「ラファエル前派」。まさに前述のエセ美術好き連中が、時代遅れとみなした一派、だと思うのであります。19世紀半ばから20世紀という、美術界に大変革が起きた時代にもかかわらず、神話や文学から材をとった「古臭いロマンチック」「映画の場面のような」作風は、頭デッカチの美術通から、嘲笑の的になるのも無理ありません。

ところがどっこい、です。「英国の夢、ラファエル前派展」を虚心に観てどう思うか。古臭い、どころか、これらの作品こそが「絵画にしかできない表現」の究極と感じます。たしかに、19世紀以降の絵画の本流は、過去の絵画ルールから脱却して、風景や人間をありのまま描く、とか、画家の心情吐露、あるいは、多様性への挑戦でしょうけど、ラファエル前派は、それらとは発想や思想が違うのです。ラファエル前派が目指すのは、1枚の絵画にドラマ性を与える、という試みです。

ですから、画家たちは圧倒的な絵画技巧を発揮します。確かな技術に支えられた人間あるいは神々のドラマ。このようなハッキリした意図を持つ絵画は大好きなんです。

それでは、展覧会で出会った作品をいくつかご紹介します。

ジョン・エヴァレット・ミレイ作「いにしえの夢-浅瀬を渡るイサンブラス卿」(1856年~1857年)

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幅2メートルちかい大きさにまず圧倒されましたね。次に画面をよくみると、甲冑や装飾の精緻さに魅了されます。そしてなにより3人の登場人物の表情が良い。様々な想像をかきたてるではありませんか。

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神話や伝説を扱った作品だと、たとえばフレデリック・レイトン作「ペルセウスとアンドロメダ」(1891年)。

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あるいは、ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス作「エコーとナルキッソス」(1903年)。

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人物画ではダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作「シビラ・パルミフェラ」(1865年~70年)。ロセッティは、ラファエル前派の創始者のひとりですね。

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私が気に入った作品は、エドワード・ジョン・ポインター作「テラスにて」(1889年出品)です。穏やかな雰囲気、柔らかな筆致。リアルに描かれた木の枝、大理石。女性の衣装の見事な表現!

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暇を持て余した女性の、ボンヤリした横顔の美しさがたまりません。

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ワタクシ、この絵の前で、しばらく、じーっとたたずんでしまいました。すごい吸引力がありますもんね。

おっとハナシが長くなってきました。そろそろ終わりましょう。「ウィーン美術史美術館展」「プラド美術館展」「モランディ展」と昨年より、展覧会でスベリを重ねてきたワタクシ。しかし今回の「ラファエル前派展」は、嫌な流れを吹き飛ばす久々の大ヒットとなりました。本当に良かった。こうなると、次に行く展覧会がちょっと心配です。有名画家の名前だけで感動できちゃう単純な人間に、いまさらなれないし・・・。うーーん。

と、無理にまとめたところで、今日はお終いっ!


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