So-net無料ブログ作成
検索選択

河村尚子さんのピアノリサイタル ショパン「24の前奏曲」。良いこと言うなあ、河村さん。 [クラシック音楽]

2週間ほど前の、2016年11月3日(木・祝日)のこと。

ドイツ在住のピアニスト、河村尚子(かわむら ひさこ)さんによる、オール・ショパンのリサイタルを拝見しました。会場はちょいとローカルな千葉県立文化会館であります。

hisako01.jpg

伝統を誇ると言えばかっこはいいけど、長年使いこまれた昔風の施設です。都心ではなかなかお目にかかれません。会場の構造ゆえか、ピアノのせいか、クラシック音楽向き音響とは言えないながら、河村さん節は健在でした。安定したスーパープレーをご披露いただき、ファンとしては大満足です。パチパチ。

さてリサイタルのメインプログラム、「24の前奏曲(プレリュード)」について書きます。

ずばり、ワタクシが苦手とする曲なんですよ。

曲は短いもので1曲あたり30秒。多くは1~2分(最長5分)。これらが24曲並んでトータル40分程度となります。問題は、全体として、とらえどころがない、ってこと。「流れ」がないんですな。ゆったりしたかと思うと激高したり、地味だったとおもえば派手になったり。

たとえばバレエ音楽は短いセグメントで構成されますが、ストーリーにそっているので理解は容易。管弦楽曲でも、たとえばエルガーさん「エニグマ組曲」は各曲が知人(の人柄)に対応、と聞けば腑に落ちる。リヒャルト・シュトラウスさんの「英雄の生涯」などは完全なドラマ仕立てだし。ストーリー性のないバッハさんの楽曲だって、構造計算があって、すくなくとも「とりとめない」という印象にはならない。

一方、ショパンさんの「セットもの」は実に困る(作曲者に「セットもの」の意識はないでしょうけど)。マズルカしかり、ワルツしかり、ノクターンしかり。似たような、でも違う曲が次から次へ続くんですから。

くだんの「前奏曲」はどうか。全24曲の7曲目が「太田胃散のCMソング」、15曲目が有名な「雨だれ」なので、その節目にくると、ああ、ここまで進んだ、と通過点を感じる体で、でも終わってみると、やっぱり掴みどころがないわ、となる。

シロート的に推察するに、ショパン「だけ」が苦手というクラシック音楽リスナー(けっこういる)は、この漠然感が性に合わないんじゃないか。だからショパンを聴き始めるなら「バラード(全4曲)」かピアノ協奏曲が良い・・・私の勝手な意見です。

話は戻り、11月3日の河村尚子さんのリサイタル。

いやあ、ちょっとした、目からウロコ、でした。リサイタル前に演奏者(河村さん)がステージに出てプレトークを行いました。彼女が語ったのは、まず師匠であるピアニスト中村紘子(なかむらひろこ)さんとの思い出について。

そのあと、演奏曲であるショパン「24の前奏曲」に関して、大変素晴らしい私見を述べられました。

本職ピアニストである河村さんも、この24曲を演奏するにあたって「どう、とらえるべきか」を考えたそうです。彼女の結論は、これらはショパンの「日記」なのだと。実際どうかは別として、1曲1曲、異なる日のショパンさんの気持ちと考えたわけですね。

な~るほど、そう捉えると腑には落ちますな。穏やかな気持ちの日もあれば、落ち込む日もある。怒り心頭の日もあれば、愉快な日もある。一見、脈絡のない24曲は、24日分の感情や気分に対応している(ような気になる)。

河村尚子さんからのヒント(?)をいただき、ワタクシ、はじめて「24の前奏曲」を、まとまった作品として聴くことができました。演奏が素晴らしかったことも大きな理由だけど。

いやはや人間てえのは、いくつになっても、ちょっとしたヒントや切り口の違いで、知っていた物事を、新たな興味をもって捉え直せるのだなあ、と感心。これぞ目からウロコだった・・・と、こーゆー体験でした。以上。ちゃんちゃん。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0