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ダリ展 (東京 国立新美術館) を拝見し、作品だけでなく、客層に驚いたハナシ。 [絵画]

六本木にある国立新美術館へ「ダリ展」を観に行きました。開催期間は2016年9月14日~12月12日であります。ポスター、どどーん。

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展覧会WEBページでは旬の女優、高畑充希さんが例の「ダリひげ」を付けて集客PRをしております。「高畑充希って、どこのダリ(誰)?」と林家木久扇さん的ダジャレをかましてはいけません。もう書いちゃったけど。

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スペインの画家ダルバドール・ダリさんがお亡くなりになったのは1980年代。没後30年が経ってます。しかし、いまだに人気は衰え知らずのよう。凄まじい描写力もさることながら着想・発想がユニークです。さらにはトレードマークのヒゲや「オレ様発言」でパフォーマーとしても一流でしたから、いまやシュールレアリズムの画家といったら、真っ先にダリさんのお名前が挙がることでしょう。

私がダリさんの画集を買ったのは1977年(約40年前)、存命中からビックネームでしたね。ちなみに展覧会を初めて見たのは1980年か1981年。ずいぶん昔だわあ、と感慨深いです。

さて国立新美術館の「ダリ展」。その感想を一言でいえば

ダリさんは、やはりダリさんだった・・・であります。

画風確立前の20代に描かれた、平易な風景画、ピカソばりの立体派風など「彼らしくない」作品を個人的に興味深く拝見しましたが、

多くの観客が集まるのは、やはり独特のシュールな油彩画ですね。超絶技巧で細部を描きこんだ超現実な風景や人物の作品群。シロートのワタクシ、これらの絵画のインパクトに、単純に「すげえなあ」と驚嘆するのでした。壁一面を覆うほどの巨大な絵だと、物理的な大きさにも圧倒されますし。

ダリ夫人でもあるガラさんを中央に配したこの作品。いやあ、デカかったなあ。40年ちかく昔に買った前述の画集にも載っていた作品。懐しかった。まさかこうして本物が見れるとはねえ。

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そうです。ダリ絵画の楽しみツボは「すげえ」という素直な驚き、であって、専門家風のムズカシイ小理屈を語りだすと、とたんに、つまらなくなるのですね。

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1920代にダリさんが親友(?)ルイス・ブニュエル(のちに世界的な映画監督)を描いた肖像画がありました。威厳が漂っています。ダリらしい作品とは言えませんが、今回の展示作の中で一番好きです。エラソーに言わせていただくと、強い描線、どこか冷めた空気、無人の背景は、1920年代ドイツの、ノイエ・ザハリヒカイト(新リアリズム)一派の作風を思い起こさせます。

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案の定、ダリさんとブニュエルさんによる「アンダルシアの犬」が会場の一角で上映されてました。あまりにも有名なシュールレアリズム映画の金字塔。ワタクシ、高田馬場で内容を丸暗記するくらい観たのでこれはパス!しかし敵もさるもの、別エリアでは、なんとブニュエル監督「黄金時代」が上映されていました。うわあ、企画者のマニアック度が怖いよ~。

ところで映画「黄金時代」を観ながら、笑ってたのは、どうやら私だけでした。よくもまあ、みなさん、真面目に観てるもんですな。だってそうでしょう。泥だらけになって女と抱き合った紳士が、群衆に殴られ蹴られ、どこかへ連行されるシーン。紳士が、吠えてきた小犬を蹴ると、キャイーン、と犬が吹っ飛ぶ、あの演出って絶対に笑いツボですよ。ほかにも、村の女たちを城に幽閉し下劣の限りを尽くした領主の風貌が、まるでイエス・キリスト、という逆説。苦笑いは必至でしょう。

こうなったら、スピンオフ企画でブニュエル映画祭を開催してはどうかな?「砂漠のシモン」や「小間使いの日記」の靴フェチ・シーン、「昼顔」のカトリーヌ・ドヌーヴの鞭打ち、「忘れられた人々」の絶望的ラスト等を、メドレー的に上映して、いや~な空気にしちゃいましょう。よおし、ミシェル・ピコリ、万歳!・・・あ、本題から逸れたね。すいません。

と言いながら映画「小間使いの日記」の、肢(靴)ネタのシーン。

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さらに、映画「昼顔」の、変態妄想シーン。

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しつこかったかな。。。

話は戻って、最後にひとつ。

国立新美術館の観客についてです。私が行った日が、たまたまかもしれませんけど、かなりの人数のおじいさん、おばあさんが押し寄せてました。美術鑑賞と年齢は無関係とは思うものの、なんか違和感。80歳をゆうに超えていると思われる小柄なおばあさんは、まるでダリ作品なんか見ちゃいませんでした。これぞ、シュールな情景。いったい何なんだろう。。。悩んだところで今日はお終いっ。


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goro

 トラビスさん、こんばんは、大変御無沙汰しております。最近、上京しまして私もダリ展に行きましたので、コメントを書かせていただきます。
 しばしば知性に溢れたブロクを拝見しております。最近、やはり仕事がハードなんでしょうね。疲れが感じられます。くれぐれも飲みすぎには御注意。前に言ったかもしれませんが、私のずっと前の自治会長の同級生、3人中2人が飲み過ぎで早死しました。60代で。私の一学年下の友人は退職を目前に。
すみません余計な話を。気に障ったら削除してください。
 いやぁ、ダリ氏の作品は良かったですね。まさか「ポルトリガドの聖母」を見れるとは思いませんでした。この作品福岡にあるのですけど。私としては「謎めいた要素のある風景」の時代のものが好きですけど。
 また、ブニュエル氏の肖像画、紹介されてた「昼顔」「小間使いの日記」は申すまでもないですけど、私、「皆殺しの天使」が映画館でみた際、圧倒されまして、映画館でみたあとがとてもスッキリして良かったんですね。繰り返し見る映画でもないのに買いました。
 映画はトラビスさんより上の世代ですから、青春時代はピエロ・パオロ・パゾリーニ氏の「アポロンの地獄」「豚小屋」「テオレマ」などエキセントリックな映画が横行しておりました。渋谷のパレス、3本100円で「豚小屋」をみて、風邪をこじらせたひとがいました。
 話がそれましたが、その前日にクラーナハ展に行き三十年余前にウィーン美術史美術館でみた「ホロフェルネスの首を持つユーディット」をみました。クラーナハ氏は、宗教家なの?と思うような背徳的な題材の作品が多くデューラー氏より解りにくくないですか?でもこの作品は文句なしにいいですねぇ〜。
これから楽しい楽しい忘年会、新年会の季節です。飲みすぎに注意して元気にやってください。私もちょっと早いのですが自治会長になりましたので飲む機会に大変恵まれております。では
 

by goro (2016-12-07 22:55) 

門前トラビス

To goro様、コメントありがとうございます。
年末は、それなり、に飲酒が続いておりますが、歳のせいか酒がめっきり弱くなり、翌日がツラい、という消極的な理由で、大酒を控えるようになりました。
まあ、「あまり呑むなよ」という天からの声と受け止めている次第です。
コメントに記載いただいたパゾリーニ監督作品では残念ながら「アポロンの地獄」を観ておりません。
「豚小屋」と「テオレマ」は強烈ですよね。
私が高校生~大学生時代の1980年前後に、パゾリーニ映画の極私的ブームがあり、薄暗い倉庫のようなところで開催される自主上映会に行きました(ブニュエル映画も同様です)。
この時点ですでにパゾリーニ監督は殺されていて故人になっていました。
マイブームのきっかけは、サド侯爵作「ソドム120日」を原作とした「ソドムの市」を、彼が撮っていることでした。正直、「ソドム」はイマイチという印象でしたが、素っ頓狂な「カンタベリー物語」と、どうしてこの人が?と悩んでしまううマリア・カラスさん主演「王女メディア」が良かったなあ、と思います。
とはいえ、当時(学生時代)はイタリア映画というと、なんたってビスコンティに入れ込んでましたので、パゾ映画は余興的気分で観た記憶です。
ちなみにビスコンティ作品で好きなのは、「ルードヴィヒ」や「地獄に堕ちた勇者」とかの大げさな時代絵巻よりも、渋めの「イノセント」「家族の肖像」ですね。しかし一番好きな作品は、なんといってもモノクロ映画「ベリッシマ」です。なんというチャーミングで悲しい映画なのか。ラストに泣き、ビスコンティ映画には珍しく(?)スッキリした気分になりますね。
と、とめどなく話が拡散しそうなところで、今後ともよろしくお願いいたします。

by 門前トラビス (2016-12-24 04:27) 

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